あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
えっ…


希良君の言葉にちょっと戸惑った。


「ごめんね、雫さんの仲間なのに…」


「あっ、ううん。果穂ちゃんは何事にも一生懸命だから…」


「僕は、あの人のこと、そんな優しい言葉で片付けられない」


「希良君、何かあった?」


「あの人、言ったんだ。自分は東堂さんが好きで、でも東堂さんは雫さんに告白して…雫さんはその返事をしなかったって。だから、早く僕と雫さんが付き合ってしまえばいい…みたいなことを言われた」


「果穂ちゃんが? そんなことを?」


全部、希良君に話したんだ…


「僕だって、雫さんと付き合えるならそうしたい。でも、できないから待ちますって…あの人に言ったんだけど。あの人は東堂さんが好きだから待てないって…」


希良君の声が、少し震えてるように聞こえた。


「果穂ちゃん、そんなことを…」


「ごめん。こんなことを話すために電話したわけじゃないのに。告げ口みたいになって、すごく嫌だ」
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