あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
ここから何かが始まるような気がして、独りでに高ぶる心をしばらく抑えることができなかった。


『杏』に着いてあんこさんに事情を話すと、飛び上がってしまうくらいの勢いで興奮して…


「もうクロワッサンたくさん焼いちゃいな! 会いたいなんてさ~あんな超絶イケメンに1度でいいから言われてみたいわぁ~めっちゃうらやましいわぁ~雫ちゃん、ほんま幸せやなぁ」


あんこさんのセリフ、標準語なのか関西弁なのか…ごっちゃになってて笑えた。


私以上にドキドキしてる?


本当に可愛い人だな。


「いつもありがとうございます。じゃあ、遠慮なくキッチン借りますね」


うん、うんって、何度もうなづいてくれて、


「久しぶりに会えるね、榊社長さんに」


美しい瞳で私を見つめて、しみじみと言ってくれた。


祐誠さんに会えるんだ…


あんこさんに言われて、何だか急に実感が沸いてきた。
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