あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
私は、止めることができない胸の高鳴りを隠すのに必死だった。


祐誠さんが1口飲むと、その美しい『赤』がグラスの中で少し揺れて…


ただワインを口にしただけなのに、ゴクリという喉を過ぎる音でさえも、私には艶めかしく聞こえた。


ワインのせいでほんの少しだけ濡れた唇も、何もかもにドキドキしてしまって。


祐誠さんが持つ男性としての魅力を、これでもかというくらい…感じずにはいられなかった。


嘘みたいに強くなる鼓動を早く止めなければと焦る。


もう1口、ワインを飲む祐誠さんの横顔…


奇跡のような端麗な顔立ち。


伏し目がちに下を向いた時の美しさ…


本当に実在する人物なのか、一瞬疑いたくなる程、何度見ても彫刻や絵画のように感じる。


ワインをテーブルに置く腕と手、指先。


祐誠さんの全てが素敵過ぎて…


その上、香水の香りまでが私の心をどこまでも高揚させる。
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