あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
その時、私の中に、突然温かくて大きな体の感覚が飛び込んできた。


「あ…」


あの時と同じだ…


その体温は毛布みたいに私の体を優しく包み、以前にも増して全てを熱くした。


とめどなく溢れ出す感情に、自分を抑えることは不可能だと思った。


どうしちゃったの?


こんなの初めてだよ…


ただ祐誠さんに抱きしめられるだけじゃ嫌だって、そう心が言ってる。


受け身のままじゃ…嫌だって。


私は、祐誠さんの背中に腕を回して、


『お願い、もっと強く抱きしめて…』


そんな声にならない思いを湧き上がらせていた。


そしたら…


祐誠さんはまるで全てわかってるみたいに、その腕に…力を込めた。


「2度目だな。こうやって雫を抱きしめるのは」


「ええ。すごく温かい…」


祐誠さんの激しく心臓を打つ音…


私に直接伝わってくる。


「雫…」
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