あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
名前を呼ぶ、その艶のある声。


「はい…」


髪に優しく指を絡めながら、あなたは…私を見た。


少し荒くなった息づかいを感じる程の距離。


美しい瞳に、私が映る。


そして、次の瞬間だった。


「好きだ。君のことを愛してる」


祐誠…さん…?


嘘…


今『好きだ』って…


『好きだ』って…言ってくれたの?


甘美で情熱的なその言葉が、私の頭の中に響いて何度も繰り返された。


「本当に…?」


「ああ、本当だ。ずっとずっと閉じ込めていた心の中の想い…やっと、言えた」


おでことおでこを合わせてそう言った祐誠さん。


すごく色っぽくて…


そして、なぜか、ちょっと切なかった。


ワインで湿った少し冷たい祐誠さんの唇が、私の耳元に触れ…


そして、そこからゆっくりと首筋に向かって這っていった。


欲情をそそられるような、何ともいえない感覚が私を襲う…


その瞬間、私の心は全部、あなたに掴まれてしまった。
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