あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
テーブルには、出来立てのクロワッサンとホットミルクティー。


「いただきます」


うん。


やっぱり、すごく美味しい。


3階の窓から、4月の暖かく柔らかな陽射しが入ってくる。


気持ちの良い朝を迎えて『今日も1日頑張ろう』って…そう思えた。


「このイチゴ…あの時拾ってもらわなかったら、一生この味に出会うことはなかったんだよね」


ビンに詰めたイチゴジャムを見て、私はしみじみ思い返した。


昨日スーパーで、とっても赤くてちょっと甘酸っぱそうなイチゴに目を奪われた。


『絶対、ジャムにしよ』


そう心に決め、買い物した食材達の上に、潰れないようにイチゴのパックをちょこんと乗せた。


いつものように自転車を漕ぎ出し、しばらく走ったところで、誰かの大きな声に気付いて振り向いた。


『ちょっと待って!!』


思わず驚いて自転車にブレーキをかけた。


私のすぐ横に来て体を90度にまげ、ハアハアと荒く呼吸をしている男の子。


かなり息があがってるみたいだ。


どうしたんだろ?
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