あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「風邪は? もう大丈夫なの? 平気?」


「うん、大丈夫。今は元気過ぎて…毎日走ったり運動とかしてるよ。心配かけてごめんね」


希良君は申し訳なさそうに言った。


「ううん。でも、それなら良かった。若いんだから元気過ぎるくらいがちょうどいいよ」


まだ20歳なんだもんね。


夢や希望に溢れた1番良い時期。


「体はそうだけどね。気持ちは…どうかな。まあ、でも大丈夫。ねえ、雫さん。良かったら少し話さない? 歩きながら…マンションまで送るよ」


「あ、うん。ありがとう…歩こっか…」


私は、希良君にもちゃんと言わなければいけないと思った。


「希良君…あのね、私…」


「ねえ、今度ご飯行こうよ。またデートしよ」


「あっ、えと…」


今、私の言葉にわざと被せるように言った?


相変わらずものすごく可愛い笑顔で言うんだね。


そんな顔でそんなこと言われたら、何も言えなくなるじゃない。


ズルいよ…希良君。
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