あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「そんなに良いところなの?」


「うん、そりゃあもう。ここより緑が多くて、空気が澄んで…特にね、星がすごく綺麗なんだ」


「星が…?」


「うん。長野には日本で1番星が綺麗に見える場所があるんだよ。ガイドさんの説明が聞けたり、音楽やパフォーマンスのショーが見れたりする『日本一の星空ナイトツアー』っていうのがあってさ。標高1400メートルまでロープウェイで行って、暗くなると、すごく広い高原にたくさんの人が寝転んで空を見上げるんだ」


何だか希良君の話に引き込まれる。


「時間になったら一斉に周りのライトが消えて、それまで見えていたより遥かに綺麗に…美しい満天の星空が姿を現す。幻想的でさ、あまりに綺麗だから、みんな歓声をあげるんだ。運が良ければ天の川も見えるしね」


「素敵…そんな場所があるなんて…」


話を聞いてるだけなのに、まるでそこにいるみたいな感覚になった。


「星たちに手が届きそうでさ…子どもの頃、寝転びながら、よく手を伸ばして掴もうとしたよ」
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