あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「すごく楽しそうだね」


「いつかさ…」


希良君は、足を止めて私のことを見た。


「雫さんと行きたいんだ。手を伸ばせば届きそうな壮大な星空を…あなたに見せてあげたい」


「希良君…」


「他の人じゃ嫌なんだ、雫さんじゃなきゃ。僕は…あなたとずっと一緒にいたい。ただそれだけなんだ。本当に雫さんのことが…好きだから」


そんな綺麗な星空…


私だっていつか見てみたい。


だけど…


それを希良君と一緒に実現することはできない。


胸が苦しいよ、本当に…ごめん。


「その顔を見たら全部わかるよ。雫さんには他に好きな人がいるんだね。きっと…あの社長さんだよね。榊グループの…」


希良君は優しい顔でそう言った。


「ごめんね。希良君の気持ちは本当に嬉しくて、一緒にいてすごく楽しかったんだ。それは嘘じゃない。最初は、本当に自分の気持ちがわからなかった。だけど、祐誠さんと話すうちに…私、やっと自分の素直な気持ちに気付けたの」
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