あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
祐誠さんは、私の肩にキスをした。


唇がそっと触れて…


密かに軽い興奮が押し寄せる。


その時、祐誠さんは言った。


「雫…今度、2人だけで旅行に行こう。近くだけど、昔からずっとお世話になってるいい旅館がある」


「旅行に? 本当ですか? すごく嬉しいです。旅館なんて…久しぶりです」


私は、ほんの少しだけ後ろを振り返って言った。


うっすら汗をかき、しっとりした祐誠さんの顔は…


色気に満ち、芸術的に美しかった。


「喜んでもらえて良かった。古い老舗の旅館だけど、料理も温泉も部屋からの見晴らしも…迎えてくれる人達も、全て最高なんだ」


「そんなに素敵なところ、ぜひ行ってみたいです」


祐誠さんは、私の頭に頬を付けて…


「雫と一緒に行きたかった。毎日笑顔でいてくれて…いろいろ頑張ってる雫と。たまにはゆっくり時間を過ごそう」


優しいその言葉が心に染みて、ジーンときた。
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