あなたと恋に落ちるまで～御曹司は、一途に私に恋をする～

「俺は、残りの人生をありのままの自分で素直に生きていきたい。今はそう思っている」


祐誠さんは、暗闇の奥の壮大な光景を見つめながら言った。


「ありのままに…？」


そして、ゆっくりと体をこちらに向けた。


「ああ。今、自分がこんなにも心穏やかにいられるのは、紛れもなく雫がいるからだ。俺は、君を失いたくない。俺の人生から消したくない。君がいない毎日なんか…いらない…」


絵画のような情景、静まり返った夜。


そこに、露天風呂のお湯が流れる音だけが淡々と響く。


「雫…」


すぐ目の前にいる祐誠さん。


真っ直ぐ見つめる誰よりも美しい瞳。


祐誠さんのその憂いを帯びた瞳に吸い込まれそうになる。


夢のようなシチュエーションに嫌でも胸が高鳴る。


鼓動を打つ速さが最高潮に達したその時…


祐誠さんは、言った。


「結婚しよう。俺と一生を共にしてほしい」