あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「うん…帰るよ」


「そっか」


「あ…あのね。私、今、榊さんと一緒に住んでるんだ」


すごく言いにくいことだったけど、慧君には話しておいた方がいいと思った。


「一緒に…?」


言葉が止まり、慧君は潤んだ瞳を見開いて、少しの間、瞬きもせずに私を見た。


そして、ゆっくりと口を開いた。


「そっか…良かった。あの社長さんはいい人だし、カッコいいし。雫ちゃんとお似合いだよ。一緒に住んでるなんてびっくりしたけど、でも、雫ちゃんは本当に…幸せなんだ」


慧君は、驚いた表情から優しくて穏やかな顔に変わった。


私、この顔好きだよ…


「うん、幸せだよ。あと…榊さん、私にプロポーズしてくれたんだ…」


いろいろ展開が早くて驚いてるよね。


私だって、自分自身びっくりしてるんだから。


ごめんね、全部話してしまって。


頭の中があんまり整理されてないけど、でも言わないと、また…


慧君を惑わせることになるかも知れないって思ったから。
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