あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
東堂社長のこんな気持ち、全然、知らなかった。


ううん、私もわざと聞かないようにしてきたっていうのが正解だ。


「それが…『杏』に来るようになって、自然にあんこさんのことを意識するようになった」


私も…同じ。


『杏』を守るために恋愛なんてしてる暇ないと思ってた心を、ちょっとずつ溶かしてくれたのがあなただった。


「でも、いざとなったら勇気が出なくて。こんなおじさんが、一回りも年下の女性に告白するなんて厚かましいとか、もし付き合ったとしても、また逃げられるんじゃないかとか。いろいろ臆病になってしまって…」


「年齢の差は関係ないよ。おじさんというなら、私だっておばさんだしね。それに、私は結婚した相手がいるのに他の人と出ていくなんて、そんなことするような女は嫌いだよ。大嫌い」


って、私…


まるで告白してほしいみたいな言い方してない?
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