あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「と、とにかくさ、一緒には行けないけど、ずっと友達なんだからさ。いつでも連絡してきて。寂しいだろうから、いっぱい愚痴とか言ってきてよ。電話なら、いつだって話せるんだし」


この人が遠くに行くのは、本当は寂しい。


すごく…寂しい。


それに、向こうで新しく好きな人ができるかも知れない。


この人は見た目が良くて、優しくて、おもしろい人だからモテないわけがないしね。


自分の好きな人が誰かと幸せになるなら、それもいいんじゃないかって…


無理やりそんな風に思おうとしてる自分もいる。


だけどさ、北海道から電話が掛かってきて『結婚するんだ』なんて…


もしそんなことを突然言われたりしたら、私、大丈夫なの?


ちゃんと祝福できるの?


ダメ、落ち着いて考えないと。


私には『杏』があるじゃない。


何よりも大切な物が。


だから…何があっても大丈夫だよ。


きっと、大丈夫。


これからもここでみんなと一緒に頑張っていく。


それが、私の選んだ人生なんだから。
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