あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
だけど、つまずいた時は周りに頼ることも大事。


私は、それをあんこさんに教えてもらった。


いつも苦しい時、もちろん嬉しい時も、その広くて大きな心に甘えさせてもらってた。


それがどんなに有難かったか。


あんこさんみたいに誰かを支えられる側の人間になりたいって、最近、すごく思う。


「じゃあね」


ニコッと笑って、あんこさんは別の人に声をかけにいった。


「さすがだね。本当にいつも人の心をちゃんと見てる。優しい人だね」


「俺は、ちょっと怖いけど」


「慧君、あんこさんの子どもだもんね」


2人で笑った。


「ねえ、慧君。仕事はどうなの?」


「うん。今は酪農も手伝ってるから、朝も早いし。昼は製粉所の仕事で、結構最近は営業活動に力を入れてるから外回りも多い。伯父にも酪農や乳製品のこととかいろいろ教わって勉強したりしてるし、毎日寝る間も惜しんでって感じ」


「すごいね、頑張ってるんだね。でも、全然疲れた顔してないし、前よりイキイキしてるよ」


本当にそう見える。


何だかすごく頼もしい。
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