あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「わかりました。すぐ用意するね」


お茶漬けの支度を始めたら、


「雫…ありがとう」


って、椅子から立ち上がって、キッチンにいる私を後ろから抱きしめた。


ドキッとした。


「ちょっと祐誠さん…」


「いつも俺のわがまま聞いてくれて」


「何言ってるの。こんなのわがままのうちに入らないよ」


「…感謝してる。毎日、毎日…」


何年一緒にいても、こんな風に私を愛おしく思ってくれる。


「どうしたの? 祐誠さん、疲れてる?」


「疲れて…ない。だから…雫と…したい。今、ここで」


キッチンの1番奥。


祐誠さんは私を壁に押し付けた。


そして…


私を見つめて『雫の色っぽい声聞きたい』って、甘えたように囁いた。
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