あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「慧君は本当に幸せだね。こんなにも東堂製粉所の小麦粉を大切にしてくれる人がいて。もちろん…私もだけどね」


あんこさんが言った。


「あんこさんのパンは一流です。私も、少しでも追いつけるように努力して頑張りますから」


「何言ってるの。雫ちゃんは、もう私よりも美味しいパンを作れるようになってるよ。自信持ちな。でも、本当に偉いよ。子育てもちゃんとしながら仕事してるんだから。私の息子はこんな大きいから、子育てしなくて済んだけどね」


あんこさんが俺を見て笑った。


そして、また続けた。


「雫ちゃんはすごいよ。立派な旦那様、正孝君という素晴らしい息子さん、優しいお嫁さんの真美ちゃんがいて。しかも、可愛い孫の誠君まで。もちろん、榊グループを背負うことの大変さはあるだろうけど、でもそれ以上に、かけがえのない最高の家族と一緒にいられて…本当に…幸せだね。良かった…ね」
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