あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「この前ね、果穂ちゃんがここに観光に来たんだよ。前にも話したと思うけど、ご家族でね。子どもさんもずいぶん大きくなってたし、本当にしっかり家族してた」


「果穂ちゃん…幸せなんですね」


「そうだね。きっと…慧君にその姿を見てもらいたかったのかも知れないね。私はこんなに幸せだよって。果穂ちゃん、慧君と話してすごく楽しそうだった。あんな可愛い顔するんだっていうくらい。北海道に来て慧君に元気もらって、今も毎日いろんなこと頑張ってると思うよ。本当に…女は強いよ」


あんこさんの優しい笑い声が響いた。


果穂ちゃんもお母さんになって、ずいぶん表情が柔らかくなってた。


ご家族みんなで買い物してくれて、その姿を見てたら、こっちまですごく温かい気持ちになった。


自分を真剣に想ってくれてた人が幸せだと、こんなにも嬉しいのか…って。


そう思ったら、俺は雫ちゃんに心配かけたままなんだって…ちょっと申し訳なく感じた。
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