あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「それだけ雫が頑張ってきたってことだ。でも、だとしたら、これからはあまり急ぎたくないな。雫と…ゆっくり残りの時間を過ごしたい。朝起きてから眠るまで…いや、寝てる間でさえ君を感じていたい」


「残りの時間だなんて…そんなこと言わないで。何だか寂しい…」


うつむく雫。


俺は右手でそのアゴの辺りに触れ、そっと顔を持ち上げた。


そして、その艶めいた唇に…キスをした。


「だからこそ、その時間を大切にしたいんだ」


死ぬまで君を…守りたい。


「そうだね。でも、私、誠が生まれておばあちゃんになってしまったんだよ。それなのに、まだこんなに大事にしてもらって申し訳ない気がする…」


「それを言うなら俺もおじいちゃんだけど?」


「でもあなたは、ますます男性として素敵になっていく。いつも周りで女性達があなたを見てて。ちょっと置いていかれてる気分になる」


雫は上目遣いで俺を見た。
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