あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
after story ~誠side~
「パパ、ママ!」


僕が呼ぶとパパとママが手を振ってくれた。


「誠、頑張れ!」


パパの声で元気が出る。


小学校の運動会。


次は、2年生の徒競走。


「よーいドン!」


その掛け声で一斉に走り出す。


僕の番まであと少し。


ドキドキする。


だって…僕は足が遅いから。


『大丈夫。足が遅くたって気にするな。一生懸命頑張れば、ビリだっていいんだから』


パパがそう言ってくれたから、僕は頑張る。


順番が来て、スタートに立った。


心臓がいっぱい鳴ってる。


だけど、僕は合図と共に手足をめいっぱい動かして、ゴール目指して走り抜けた。


白いテープは切れなかったけど、ビリじゃなかった。


みんなをチラッと見たら、パパもママも、祐じいじ、雫ばあばも、みんな笑顔で手を叩いて拍手してくれてた。


とってもホッとして、思わず僕も笑顔になった。
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