あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
あんこさん、ここを紹介してくれたんだ。


「嬉しいです。電車でわざわざ来てくれたんですか? 本当に…すみません。ありがとうございます」


「いえいえ。私、クロワッサンが大好きで。あと、あんパンも」


「『杏』のクロワッサンとあんパンは最高ですからね。私のパンは、店長とはちょっと違うかも知れませんけど…でも、心を込めて作らせてもらってますので、良かったらたくさん買っていって下さいね。あっ、小麦粉は『杏』と同じところのを使ってるんですよ」


「そうなんですか! それは楽しみです。近くに息子夫婦も住んでて、あの子達にも食べさせてあげたくて。息子も久しぶりに『杏』のパンが食べたいって言ってました。本当に…大好きだったんで」


「あの時の息子さん、ご結婚されたんですか? あんな小さくて可愛いかったお子さんが…」


「ええ、もう30も半ばですよ。孫も3人もいて毎日にぎやかです」


何だか…時の流れの速さを感じる。
< 391 / 394 >

この作品をシェア

pagetop