あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
ご家族みんなで美味しく食べてもらえたらいいな。


私のパンで笑顔になって、ほんの少しでも『幸せ』を感じてもらえたら、それが作り手として1番嬉しいことだから。


お客様の姿が見えなくなるまで手を振って、そして頭を下げた。


顔を上げ、ふと空を見たら、とても青くて綺麗な空が広がってた。


今日も…良い天気だな。


私は、お店の近くにある桜の木々に目を移した。


大きくて立派な木が、道路脇に等間隔ではるか向こうまで並んでる。


満開で見頃を迎え、たくさんの人が立ち止まって鑑賞している。


ジョギングをしてる人、ペットの散歩をしてる人も、思わず足を止めていた。


桜には人を惹き付ける美しさがある。


若い人も、年齢を重ねた人も、カップルだったり、ご夫婦だったり…


みんなが、いろんな思いでこの桜に見入っているんだろう。


私は…


さっきのお客様みたいに立派な母親になれたのかな?


ふと思った。


子育てに正解なんてないとは思う。


だけど、正孝があんなに素敵な家族を作ることができたんだから…


それが全てだよね。
< 393 / 394 >

この作品をシェア

pagetop