あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
そっか、じゃあ、スーパーからずいぶん走らせてしまったんだ。


申し訳ないな。


でも、その人はもう息が整ってる。


さすが若い、いくつくらいだろう?


『ごめんね。わざわざ走ってきてくれて…本当にありがとう。すごく嬉しい』


『良かったです。追いついて』


ニコニコ良く笑う青年だな。


何だか私まで幸せな気持ちになる。


『あの…スーパーにたまに来られますよね? 僕も大学忙しいんであんまりバイト入れてないんですけど、もし、また僕のこと見かけたら絶対声かけて下さい』


絶対…って…


こんなイケメンにそんなこと言われたら、少し照れる。


『あ、ありがとう。私はそこの『杏』っていうパン屋で働いてるの。今度、イチゴのお礼にパンをご馳走するから寄ってみて』


私、何言ってるんだろ?


初めて話した人に自分の素性を明かすなんて。


『あのパン屋で? そうだったんですね。ぜひ行かせてもらいます! 嬉しいです』
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