あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
それは、覚悟を決める間もなくガタガタと動き出し、後ろ向きのままどんどん上に登って…


心拍数ヤバいかも。


「手、繋ごうか?」


希良君は左手を差し出した。


私は…


そこに右手を重ねた。


その温もりに、ちょっと…安心できた。


うわ…頂点まで登りきった?


その瞬間、コースターはものすごいスピードで背中から遥か下に向かって滑り落ちた。


両耳から入ってくる軽快な音楽と共に、クネクネと曲がりくねったレールに沿って、体があちこちに振り回される。


もちろんすごく怖いのに、気づいたら何だか笑っちゃってる自分がいて、ちゃんと目も開けていられた。


終わって地上に降りた時には、まだ体がフラフラしてたけど、とても楽しかったって思えた。


きっと…


希良君が手を握ってくれてたからだね。


それから、私達は、映画の世界さながらのアクションシーン満載のショーを観た。


火薬をふんだんに使った爆発シーンがすごい迫力。
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