あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
高いところから水の中に飛び込んだり、ハラハラドキドキのスリルいっぱいのエンターテイメントに興奮が抑えられなくて…


まるで本物のストーリーの中に入り込んだような気分になった。


その素晴らしいショーに感動したあとも、私達はいろいろなところを回って、休憩もしたりして、最後は夜のパレードと花火を見ることになった。


空を見上げると、お月様が出てすっかり暗くなっていた。


でも、色鮮やかな光が散りばめられたテーマパークの中だけは、夜になっても無限の美しさを放っていた。


本当に…夢の世界だ。


素敵過ぎて、帰りたくないって思った。


「パレード楽しみだね」


「うん。だけど…それが終わったら、今日が終わる」


ポツリとつぶやくように希良君が言った。


「そんな、おおげさだよ」


「でも、雫さんともうすぐお別れだから…」


真っ直ぐ私の目を見る希良君。


「ま、またいつでも『杏』に来て。若い君には美味しいパン、もっとたくさん食べてもらいたいから」


「『杏』にはまた必ず行きます。メロンパンも塩パンもすごく美味しかったから…」


「うん。待ってるね」
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