あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「え…」


「その大学生…えと…」


「あ、希良君って言います」


「その希良君や榊社長のことを意識しだしたっていうのは、雫ちゃんがそろそろ自分の中で恋愛したいって、ちゃんと向き合えてるからじゃない? だからさ、頑張って恋愛しなきゃ…じゃなくて、自然でいいんじゃないかな? あんまり窮屈に考えないで、焦らずゆっくり感じるままに。人を好きになるって本当に素敵なことだから…」


「あんこさん…ありがとうございます。私、向き合えてるのかな…」


「大丈夫、大丈夫。雫ちゃん、本当にいい女なんだから自信持って」


「そんな、私は…いい女なんかじゃないです」


あんこさんは、女の私が見ても色気があって、美人で、素敵な大人の女性。


そんな人に『いい女』なんて言われても…


「またそんなこと言って。榊社長、あの人がパンの配達を他の誰でもない雫ちゃんに頼んだんだよ。それってすごいじゃない」


「…実は、榊社長にいろいろ言われてて、それも本気なのか、からかわれてるのか…もうわからなくて」


「ん? 何を言われたの?」


「えっと…」
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