あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「悪い。さっき仕事から帰って、着替えてたところ。入って」


「あ、あの…私はここで待ってます。焼き立てなんで早めに食べて下さい」


ドアの前で、あんこさんが作ってくれたパンを両手で差し出した。


「そこにいられたら迷惑」


「えっ」


祐誠さんはそう言って、私の右手を掴んでドアの中に引き入れた。


嘘…


ドア、閉まっちゃったよ。


私、祐誠さんの部屋の中に入ってる!?


「店長さんのパン、一緒に食べよう。雫も何も食べてないんだろ? 俺もお腹空いてるから」


「あ、でも…中に入るとかは良くないです。彼女さんとかに怒られます」


「彼女なんかいない。いいから入って。そこにずっと立たれてる方が気になる」


また私の腕を引っ張って、奥のリビングに連れていく祐誠さん。


「ちょ、ちょっと待って下さい。あの…」


私、どんどん中に引き入れられてく…


祐誠さん、すごく…強引だよ。
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