あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
『私なんかがこんなところにいてもいいのかな…』って、ちょっと卑屈になってしまった。


もしかして祐誠さんは、私をからかって楽しんでるの?


だとしたらすごく恥ずかしいし、みじめだよ。


いろんな思いが交錯して、一気に気分が落ち込む。


あんなにあんこさんにアドバイスしてもらったのに、1歩踏み出さなきゃって思ったのに、実際に祐誠さんを目の前にすると、自分の気持ちが上手くコントロールできなくなる。


静かにパンを食べてる祐誠さん。


まだ、胸元が開いたまま。


私は、目のやり場にずっと困ってるけど、そんなことはお構いなしだ。


女性を部屋に入れて、そういう格好でいることに…きっと慣れてるんだろうな。


彼女がいないなんて、やっぱり信じられない。


「美味しかった。これは…初めて食べた」


「これはベーグルっていうパンです」


「食感がしっかりしてて、小麦の良い味がする」
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