あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「わかったよ、買ってく。その代わりうちの小麦粉もよろしくな」


慧君もその後ろから入ってきて、


「父さん、いつもたくさん買ってもらってるだろ。本当にありがとうございます、あんこさん」


って、微笑んだ。


東堂社長の息子の慧君は、穏やかでとても物腰が柔らかい。


「いいのよ、慧君。うちには東堂製粉所の小麦粉が1番なんだから。こっちがお礼を言わなきゃね」


あんこさんも微笑む。


「いらっしゃいませ~あれ、この前の大学生君じゃない!」


果穂ちゃんがまた手を振る。


「希良君、来てくれたんだ。いらっしゃい」


「こんにちは。雫さん」


テーマパークの時から会ってなかったから、突然の来店にドキッとした。


「あら、彼がイケメン大学生の希良君?」


「初めまして。イケメンではないですけど…渡辺 希良です」


希良君は、あんこさんに頭を下げた。


「十分イケメンだよ。困ったね~慧君に希良君。2人とも素敵だから目移りしちゃう」
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