あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
「初めまして。榊と申します」


2人にも名刺を渡す祐誠さん。


「すごいんですね、榊さん。あの榊グループの社長さんなんて…本当にすごい」


希良君が言った。


「彼は、理科の先生になりたいって頑張ってるんですよ」


私が言うと、


「理科の先生。それはすごいね。大学はどこに?」


祐誠さんが尋ねた。


「近くの東英大です」


「渡辺君は優秀なんだね。あの大学なら理系が強い。立派な理科の先生になれる。君なら夢は必ず叶う」


「あ、ありがとう…ございます。そうなれるように頑張ります」


何だか嘘みたい。


祐誠さんが希良君を励ましてる。


希良君も笑顔で答えて…


この空間、かなり不思議だ。


「じゃあ俺達は失礼します」


慧君は…


祐誠さんとは話さないんだね。


東堂社長と慧君は、みんなに挨拶してから店を出た。


それから、祐誠さんと希良君は、カフェの離れた席に別々に座ってパンを食べた。
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