あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
そんなにも慧君のことを想ってたんだ…


「雫さんは、慧さんのことどう思ってるんですか? 好きなんですか?」


詰め寄る果穂ちゃん。


「ごめん。私、今…本当に誰が好きとかわからないの。恋はしたいと思ってる。だけど、すぐに気持ちを決めることができなくて…」


「何ですか、それ? 私より大人のくせに」


果穂ちゃんの言葉が心に突き刺さる。


「榊社長でも、大学生でも誰でもいい。だから早くくっついて下さい! 慧さんだけは…慧さんだけには…近づかないで…」


すごく、切なかった。


果穂ちゃんは、ちゃんと自分で答えを出してる。


慧君のことを好きになって、しっかり恋愛と向き合って前に進んでる。


すごいと思う。


なのに、私は本当に何やってるの?


情けないよ…


「ごめん、果穂ちゃん。私にとって慧君は、この店で知り合った大切な仲間なの。近づかないでっていうのは…ちょっと無理かな。今はそれしか言えない。本当にごめん」
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