二次元に恋するアラサー女子、ついに夢主になるっ!これは夢ですか、現実ですか?!
「はっ、すみません。ありがとうございます」
「……あなた、眠らないと思ったらその宝石に護られていたのね」
「え、これ?」
胸元の欠けた宝石。
落ちたものは粉々になってしまったけれど、ペンダント部分にはまだ少しだけ残っている。
「それ、魔道具ね」
女性は私とネックレスを交互に見る。
この人、魔道具がわかるんだ。
ていうことはもしかして魔女?
さっきの良い香りももしかして魔法……とかそんな感じだったり?
「こんな夜更けに一人で歩くなんて危ないわよ」
「すみません。助けてくださってありがとうございます」
私はペコリとお辞儀をする。
すると女性は腕組みをして不敵に微笑んだ。
「ところで私をつけているみたいだけど、なぜかしら?王女様?」
「あ……」
ヤバイ!
バレてる!
ていうかこの人、私が尾行してた謎の女性だったんだ。
全然気づかなかった。
何という失態か。
「ちょうどよかった、あなたに会いたかったのよ。一緒に来てもらえる?」
断ることを許されない状況に、私はただ従うしかなかった。
ごめん、アズール。
深追いしすぎたみたいだ。