二次元に恋するアラサー女子、ついに夢主になるっ!これは夢ですか、現実ですか?!
お母様は軽く頷き、「あなたにも聞く権利があるわ」と告げた。

私たちは息を飲む。
お母様はアクアパッツァの火の加減を見ながら、思い出すように語り出した。

「私は王の恋人だった。あの人は私を王妃に迎えてくださるつもりだったの。でも先代の王が魔女を嫌う方でね、私が魔女だということがバレて別れさせられてしまったのよ。だけどその後に、私は身籠っていたことがわかったの。それがジャンク、あなたよ。」

「え、俺の父さんは幼い頃に亡くなったって……」

「ごめんね、亡くなったのは嘘。あなたの父親は国王様よ。そして王は数年後、魔女ではない別の女性と結婚した。そして生まれたのがシャルロット」

私とジャンクは顔を見合わせる。
お互いにわかには信じがたい、けれど本当かもしれないという思いも渦巻いた。
王は白髪はあるけれど紛れもない金髪。
シャルロットとジャンクも同じ金髪なのだ。

以前ジャンクが言った。
───シャルロット、君といると何だか落ち着く。波長が合うのかな?

そんな感覚に陥ったこともある。
ジャンクと父親が同じなら血を分けた兄妹なのだ。通じるものがあってもおかしくはない。
< 80 / 93 >

この作品をシェア

pagetop