二次元に恋するアラサー女子、ついに夢主になるっ!これは夢ですか、現実ですか?!
「えっと、私記憶喪失になったじゃない?そしたら何ていうかこう、前世の記憶、みたいな?よく知らない世界が頭の中に生まれたんだよね」
「……え?」
意味がわからないといった顔のジャンクだが、私も自分で言っていて意味がわからない。いや、だって、別の世界から来たことを言っちゃいけないんだよね?アズールがそう合図したよね?だから頑張って言い訳考えたんだけど。
チラリとアズールを見ると眉間を押さえながらため息をついていた。完全に呆れている。
「シャルロットは記憶喪失になってから妄想癖がひどいんだ。適当に付き合ってやってくれ」
「妄想癖って!」
「なるほど。だからいつもアズール様が護衛しているんですね」
アズールの嘘にジャンクはあっさりと納得した。誤魔化すにしたっていくらなんでも妄想癖って酷くないかな。
そう思ってアズールを睨むも、
「その通りだ。困ったお姫様なのでな」
と、私を見て微笑むので、その笑顔にやられて何も言えなくなった。
ええ、妄想癖で構いませんよ。
それでアズールの笑顔が見れるなら安いもんだ。ふいにみせる笑顔は反則だってば。