さよならを。
学校にも慣れてきた7月の今日この頃。
「ねぇ美央、次の講義までにレポートを完成させないといけないんだけど全然内容が思い浮かばなくて…何か良いのない?」
瑞樹はレポートを見せながら美央に話しかけた。
「その内容は優菜の方が詳しいんじゃない?ってか距離近いよ…」
美央の後ろに立っていた瑞樹は美央の耳に吐息がかかるほど近くに来ていた。
「あ、ごめん。悪気はないんだけど駄目だった?」
周りのクラスメイトは私たちの方を見て何かを話しているのが見えた。
絶対勘違いされていると思う…。
「他の人に付き合っていると思われちゃうじゃん…」
気まずい雰囲気になっていたところ優菜がタイミングよく来てくれた。
「美央ーえ?瑞樹とそういう関係だったの?私聞いてないよ!」
「ちょっと優菜まで…!そんなわけないじゃん!勘違いしないで」
そう。ここ最近瑞樹の距離が急に近くなった。
別に瑞樹のことが嫌いなわけじゃないんだけどさ…。
付き合ってもないのに付き合っていると勘違いされることが多い。
颯真と大輝が瑞樹は私のことが好きって思ってるみたいなんだけど、実際はどうなんだろう?
って、まだ入学して3ヶ月しか経ってないのにそんなことないよね…。
「ねぇ美央的には瑞樹のことどう思ってる?」
食堂でお弁当を食べながら颯真に聞かれた。
「うーんただの友達としか思ってないかな」
瑞樹がお昼ご飯を買いに行っている合間を見つけて颯真と大輝、そして優菜からの聞き込みが始まった。
「私ね、最近瑞樹が美央との距離が近いんだと思うんだよね。あれは私の経験上、美央に脈ありだと思う!」
「優菜の意見に賛成!反対意見はありますか!」
なぜか3人で大盛り上がりしているようだ。
「俺がいないところで何盛り上がってるの?」
タイミングよく瑞樹が帰ってきた。
3人があんな話をしていたから瑞樹のことを直視出来ない。
色々と考えてしまう。
「みんなでね夏にフェスでも行けたらいいなーって勝手に考えてたんだけど、瑞樹はどう?」
大輝は目をキョロキョロしながら話していたが、嘘ついていることが丸見えだった。
「夏フェス?おーいいね!みんなで行くフェスは絶対楽しいね」
瑞樹は嘘をついていることに気付いてはいなかった。
そしてなぜか嘘ついて話した夏フェスを行くことは着々と話が進み本当に行くことになった。
学校に入学してから4人のノリがすごくてついていくのに必死だった私だったが、最近はようやく慣れたのか心が開いていけてるような気がした。
全ては優菜が颯真に一目惚れした時から始まっていた。
今日の午後からは大輝と優菜は違う科目を履修しているためお昼からは別行動になる。
そういえば履修の時に私が履修した講義にはごく稀に外部からの講師が来ると聞いていた。
今日はその日だった。
「今日の講師って誰なんだろうね?俺の好きなバンドとか来ないかな」
颯真は誰が来るかドキドキしていた。
「確かにバンドマン来るかもしれないね」
瑞樹は意外と冷静だったが楽しみにしていることには違いない。
私も声には出さないが好きなバンド”ニジイロ”のメンバーが来たりしないかなーと心待ちにしていた。
「てかさ、大輝もバンド好きなのになんで優菜と同じオーケストラの講義を受けるんだろうね?俺だったら絶対こっち選んでるよー」
颯真がポロっと零した言葉に違和感を感じた。
確かにバンドが好きな大輝にはあっちの講義は似合わない。
もしかして優菜のこと好きなのかな?
いや、そんなことないよね…
優菜が颯真のこと好きなことは颯真以外の人は知っているし…
「確かになんでだろうって思ったけど、大輝もたまにはバンド以外のことも学びたいんじゃない?音楽には変わりないし!」
私は颯真の言ったことを否定するかのように話した。
もし大輝が本当に優菜のことを好きだったとすると、そのことを颯真も知ってしまうと優菜が颯真に告白した時大親友である大輝を傷付けたくないと思って優菜のことを振ってしまうかもしれない。
って私、なんでほかの人の恋を心配しているんだろう…
私自身は恋愛しなくていいのか?
学生生活はあと1年半ほどしかない。
今のままだったら、今までと同じになってしまう。
私は変わりたくて専門学校に入学したのではないのかな。
色々と混乱してきた。
そんな中講義室Fに着いた。
講義室では、さっきお昼に話していた夏フェスの話をほかのクラスの人達も話していた。
まさかみんなで夏フェスに行けると思っていなかったから私自身とても楽しみにしていた。
どのバンドを見ようか、どんな順番でステージを回った方がいいかとか頭の中はもう夏フェスモードだった。
私は颯真の前の席に座り、講師が来るのを待っていた。
「ねぇ、美央」
後ろから颯真に話しかけられた。
「ん?何?」
「瑞樹のこと、考えてあげたらどうかな?あいつ、美央のこと好きなのバレバレじゃない?美央気付いてない?」
まさか、颯真にまで言われるとは思っていなかった。
瑞樹がまさかね…とさっき考えていたところだったから動揺してしまう。
「私、鈍感だから…さ!あんまり気にしたことないんだ」
「多分、今俺と話していることも瑞樹は嫉妬していると思うよ。さっき夏フェス5人で行こうって言ったけど、瑞樹と2人で行っていたらどうかな?ちょうど、優菜と大輝と話していたところなんだ」
「フェスは5人で行こう?5人で行けること楽しみにしているね!」
私はそれ以上颯真と話すことをやめた。
3人とも、私と瑞樹がくっつくことを願っているようだけど私にはまだ早すぎる。
恋愛をしたくてこの学校に入学したわけじゃないし…
そんなことを話していると講師の先生らしき人が講義室の入り口に姿を現した。
「ねぇ美央、次の講義までにレポートを完成させないといけないんだけど全然内容が思い浮かばなくて…何か良いのない?」
瑞樹はレポートを見せながら美央に話しかけた。
「その内容は優菜の方が詳しいんじゃない?ってか距離近いよ…」
美央の後ろに立っていた瑞樹は美央の耳に吐息がかかるほど近くに来ていた。
「あ、ごめん。悪気はないんだけど駄目だった?」
周りのクラスメイトは私たちの方を見て何かを話しているのが見えた。
絶対勘違いされていると思う…。
「他の人に付き合っていると思われちゃうじゃん…」
気まずい雰囲気になっていたところ優菜がタイミングよく来てくれた。
「美央ーえ?瑞樹とそういう関係だったの?私聞いてないよ!」
「ちょっと優菜まで…!そんなわけないじゃん!勘違いしないで」
そう。ここ最近瑞樹の距離が急に近くなった。
別に瑞樹のことが嫌いなわけじゃないんだけどさ…。
付き合ってもないのに付き合っていると勘違いされることが多い。
颯真と大輝が瑞樹は私のことが好きって思ってるみたいなんだけど、実際はどうなんだろう?
って、まだ入学して3ヶ月しか経ってないのにそんなことないよね…。
「ねぇ美央的には瑞樹のことどう思ってる?」
食堂でお弁当を食べながら颯真に聞かれた。
「うーんただの友達としか思ってないかな」
瑞樹がお昼ご飯を買いに行っている合間を見つけて颯真と大輝、そして優菜からの聞き込みが始まった。
「私ね、最近瑞樹が美央との距離が近いんだと思うんだよね。あれは私の経験上、美央に脈ありだと思う!」
「優菜の意見に賛成!反対意見はありますか!」
なぜか3人で大盛り上がりしているようだ。
「俺がいないところで何盛り上がってるの?」
タイミングよく瑞樹が帰ってきた。
3人があんな話をしていたから瑞樹のことを直視出来ない。
色々と考えてしまう。
「みんなでね夏にフェスでも行けたらいいなーって勝手に考えてたんだけど、瑞樹はどう?」
大輝は目をキョロキョロしながら話していたが、嘘ついていることが丸見えだった。
「夏フェス?おーいいね!みんなで行くフェスは絶対楽しいね」
瑞樹は嘘をついていることに気付いてはいなかった。
そしてなぜか嘘ついて話した夏フェスを行くことは着々と話が進み本当に行くことになった。
学校に入学してから4人のノリがすごくてついていくのに必死だった私だったが、最近はようやく慣れたのか心が開いていけてるような気がした。
全ては優菜が颯真に一目惚れした時から始まっていた。
今日の午後からは大輝と優菜は違う科目を履修しているためお昼からは別行動になる。
そういえば履修の時に私が履修した講義にはごく稀に外部からの講師が来ると聞いていた。
今日はその日だった。
「今日の講師って誰なんだろうね?俺の好きなバンドとか来ないかな」
颯真は誰が来るかドキドキしていた。
「確かにバンドマン来るかもしれないね」
瑞樹は意外と冷静だったが楽しみにしていることには違いない。
私も声には出さないが好きなバンド”ニジイロ”のメンバーが来たりしないかなーと心待ちにしていた。
「てかさ、大輝もバンド好きなのになんで優菜と同じオーケストラの講義を受けるんだろうね?俺だったら絶対こっち選んでるよー」
颯真がポロっと零した言葉に違和感を感じた。
確かにバンドが好きな大輝にはあっちの講義は似合わない。
もしかして優菜のこと好きなのかな?
いや、そんなことないよね…
優菜が颯真のこと好きなことは颯真以外の人は知っているし…
「確かになんでだろうって思ったけど、大輝もたまにはバンド以外のことも学びたいんじゃない?音楽には変わりないし!」
私は颯真の言ったことを否定するかのように話した。
もし大輝が本当に優菜のことを好きだったとすると、そのことを颯真も知ってしまうと優菜が颯真に告白した時大親友である大輝を傷付けたくないと思って優菜のことを振ってしまうかもしれない。
って私、なんでほかの人の恋を心配しているんだろう…
私自身は恋愛しなくていいのか?
学生生活はあと1年半ほどしかない。
今のままだったら、今までと同じになってしまう。
私は変わりたくて専門学校に入学したのではないのかな。
色々と混乱してきた。
そんな中講義室Fに着いた。
講義室では、さっきお昼に話していた夏フェスの話をほかのクラスの人達も話していた。
まさかみんなで夏フェスに行けると思っていなかったから私自身とても楽しみにしていた。
どのバンドを見ようか、どんな順番でステージを回った方がいいかとか頭の中はもう夏フェスモードだった。
私は颯真の前の席に座り、講師が来るのを待っていた。
「ねぇ、美央」
後ろから颯真に話しかけられた。
「ん?何?」
「瑞樹のこと、考えてあげたらどうかな?あいつ、美央のこと好きなのバレバレじゃない?美央気付いてない?」
まさか、颯真にまで言われるとは思っていなかった。
瑞樹がまさかね…とさっき考えていたところだったから動揺してしまう。
「私、鈍感だから…さ!あんまり気にしたことないんだ」
「多分、今俺と話していることも瑞樹は嫉妬していると思うよ。さっき夏フェス5人で行こうって言ったけど、瑞樹と2人で行っていたらどうかな?ちょうど、優菜と大輝と話していたところなんだ」
「フェスは5人で行こう?5人で行けること楽しみにしているね!」
私はそれ以上颯真と話すことをやめた。
3人とも、私と瑞樹がくっつくことを願っているようだけど私にはまだ早すぎる。
恋愛をしたくてこの学校に入学したわけじゃないし…
そんなことを話していると講師の先生らしき人が講義室の入り口に姿を現した。