さよならを。
私はあの日が運命じゃないかって今でも思う。
こんな偶然なんてあるのかな?
「こんにちは~」
講師の先生が講義室に入ると部屋の空気が一気に変わった。
「ねぇ!あの人!美央!見て!」
颯真は動揺を隠せず私の肩を力強く叩く。
「もー颯真!そんなに叩かないでよ、なんかあった?」
私は扉の開いた方を見た。
目を疑った。
嘘でしょ?
講師として来ていた人は私の大好きなバンド”ニジイロ”のベース担当、吉岡友弥(よしおか ともや)さんだった。
夢じゃないかって何度も目を擦ったがやっぱり吉岡さんだった。
私が音楽を始めるきっかけにもなった吉岡さんが私の学校で講義をするなんて。
「みんな静かにー今日は特別講師としてニジイロというグループでベースを担当されている吉岡さんに来ていただきました。知っている人もいると思うが、今日は先生として来ていただいているんだからしっかり学べるところは学んでほしい。じゃあ自己紹介お願いします」
「はじめまして。ニジイロという名前でバンド活動している吉岡友弥です。バンド内ではベースを担当しています。今日は学長と少し縁がありまして特別に講師をさせていただくことになりました。短い時間ではありますが僕なりの音楽をみなさんにお伝え出来ればいいなと思います。よろしくお願いします」
私は気持ちは追い付かなかった。
だって大好きなバンドのましてや吉岡さんだよ?
憧れの人から音楽を学べるなんて…夢かと思った。
「美央大丈夫?固まってるけど」
颯真にそう言われやっと自分がびっくりしすぎて固まっていたことに気付いた。
「うん、大丈夫…まさか吉岡さんが来ると思ってなかったから驚いてるんだ…」
「美央ほんとよかったな」
颯真に頭をポンポンと撫でられた。
「ありがとう」
颯真に頭を撫でられてドキドキした私がいた。
優菜が颯真のことずっと好きなんだからこんなことされただけでドキドキしちゃダメだよ、私…
頭の中は混乱していた。
吉岡さんが来たことと颯真にドキドキしてしまったこと。そして瑞樹のこと。
どうして今日に限って男に悩まされてるんだろう。
そんなことを考えていたらあっという間に講義は終わってしまった。
「チャイムも鳴ったので今日はこの辺で終わりたいと思います!僕のくだらない話を聞いてくださってありがとうございました!また機会がありましたらこうしてお話したいと思っていますのでよろしくお願いします」
吉岡さんの言葉と共に講義は終わった。
講義が終わると次の授業に急ぐ人もいれば吉岡さんに話しかけている人もいた。
「美央も話しかけてこれば?せっかく吉岡さん来たんだし」
瑞樹はそう言い私の背中を押してくれた。
「でも憧れの人の前で何話したらいいかわからないよ…」
「憧れだってこと伝えて来たらどうかな?」
颯真にも背中を押され私は吉岡さんの元へ急いだ。
周りには私より可愛い女の子たちで囲まれていた。
吉岡さん、見た目もかっこいいしそりゃそうだ。
私は勇気を振り絞って話しかけた。
「すみません、少しお話いいですか?」
吉岡さんは私の方を見て優しく話しかけてくれた。
「うん、いいよ。何か質問かな?あっち行こうか」
吉岡さんはなぜかみんなのいる前ではなく講義室内の人があまりいない方へ移動した。
「で、話って何かな?」
まさか吉岡さんと2人で話せる機会が出来ると思っていなかったから動揺を隠せていなかった。
何を話せばいいんだろう…
「あの!私、高校生の時にニジイロに出会ってそれから音楽関係の仕事をしたいなと思い始めたんです。今、この学校に通い始めたのもニジイロのみなさんのおかげです。本当にありがとうございます」
私はそう言い頭を下げた。
「そう言ってくれて嬉しいよ。ありがとう。僕たちのライブ見に来てね」
吉岡さんは教授に呼び出され私の前から去った。
夢のような時間だった。
このまま時が止まればいいのにって。
私は嬉しいあまり涙が出てきた。
また話せる時が来るといいな。
その日の夕方、5人で集まることになった。
こんな偶然なんてあるのかな?
「こんにちは~」
講師の先生が講義室に入ると部屋の空気が一気に変わった。
「ねぇ!あの人!美央!見て!」
颯真は動揺を隠せず私の肩を力強く叩く。
「もー颯真!そんなに叩かないでよ、なんかあった?」
私は扉の開いた方を見た。
目を疑った。
嘘でしょ?
講師として来ていた人は私の大好きなバンド”ニジイロ”のベース担当、吉岡友弥(よしおか ともや)さんだった。
夢じゃないかって何度も目を擦ったがやっぱり吉岡さんだった。
私が音楽を始めるきっかけにもなった吉岡さんが私の学校で講義をするなんて。
「みんな静かにー今日は特別講師としてニジイロというグループでベースを担当されている吉岡さんに来ていただきました。知っている人もいると思うが、今日は先生として来ていただいているんだからしっかり学べるところは学んでほしい。じゃあ自己紹介お願いします」
「はじめまして。ニジイロという名前でバンド活動している吉岡友弥です。バンド内ではベースを担当しています。今日は学長と少し縁がありまして特別に講師をさせていただくことになりました。短い時間ではありますが僕なりの音楽をみなさんにお伝え出来ればいいなと思います。よろしくお願いします」
私は気持ちは追い付かなかった。
だって大好きなバンドのましてや吉岡さんだよ?
憧れの人から音楽を学べるなんて…夢かと思った。
「美央大丈夫?固まってるけど」
颯真にそう言われやっと自分がびっくりしすぎて固まっていたことに気付いた。
「うん、大丈夫…まさか吉岡さんが来ると思ってなかったから驚いてるんだ…」
「美央ほんとよかったな」
颯真に頭をポンポンと撫でられた。
「ありがとう」
颯真に頭を撫でられてドキドキした私がいた。
優菜が颯真のことずっと好きなんだからこんなことされただけでドキドキしちゃダメだよ、私…
頭の中は混乱していた。
吉岡さんが来たことと颯真にドキドキしてしまったこと。そして瑞樹のこと。
どうして今日に限って男に悩まされてるんだろう。
そんなことを考えていたらあっという間に講義は終わってしまった。
「チャイムも鳴ったので今日はこの辺で終わりたいと思います!僕のくだらない話を聞いてくださってありがとうございました!また機会がありましたらこうしてお話したいと思っていますのでよろしくお願いします」
吉岡さんの言葉と共に講義は終わった。
講義が終わると次の授業に急ぐ人もいれば吉岡さんに話しかけている人もいた。
「美央も話しかけてこれば?せっかく吉岡さん来たんだし」
瑞樹はそう言い私の背中を押してくれた。
「でも憧れの人の前で何話したらいいかわからないよ…」
「憧れだってこと伝えて来たらどうかな?」
颯真にも背中を押され私は吉岡さんの元へ急いだ。
周りには私より可愛い女の子たちで囲まれていた。
吉岡さん、見た目もかっこいいしそりゃそうだ。
私は勇気を振り絞って話しかけた。
「すみません、少しお話いいですか?」
吉岡さんは私の方を見て優しく話しかけてくれた。
「うん、いいよ。何か質問かな?あっち行こうか」
吉岡さんはなぜかみんなのいる前ではなく講義室内の人があまりいない方へ移動した。
「で、話って何かな?」
まさか吉岡さんと2人で話せる機会が出来ると思っていなかったから動揺を隠せていなかった。
何を話せばいいんだろう…
「あの!私、高校生の時にニジイロに出会ってそれから音楽関係の仕事をしたいなと思い始めたんです。今、この学校に通い始めたのもニジイロのみなさんのおかげです。本当にありがとうございます」
私はそう言い頭を下げた。
「そう言ってくれて嬉しいよ。ありがとう。僕たちのライブ見に来てね」
吉岡さんは教授に呼び出され私の前から去った。
夢のような時間だった。
このまま時が止まればいいのにって。
私は嬉しいあまり涙が出てきた。
また話せる時が来るといいな。
その日の夕方、5人で集まることになった。