SINOBI 隠苑の国に咲く花


「ぼうや、父ちゃんと母ちゃんはどうした。」



少年は女のそんな問いかけにゆっくりと口を開く。



「ぼうやじゃない。
あたし、女。」



消え入りそうな声で…しかし芯のあるはっきりとした声で、そう言った。



「あんた女子(おなご)かい。そりゃ悪かったね。」



そうと分かっても、刃物でざくりと斬られたようなざんぎり頭を見ると、やはり少年にしか見えない。



「父ちゃんと母ちゃんは?」



少女は静かに首を振る。

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