SINOBI 隠苑の国に咲く花
「ちょっと大丈夫かい!?」
地面に倒れ込む少女に慌てて手を伸ばす。
「父ちゃま母ちゃま、なんで帰ってこない、の?」
少女は疲れ切っているのかぐったりとしたまま、言葉を続ける。
「ずっとずっと待ってるのに。」
弱々しい力で唇を噛みしめる少女。
「もしかして紫乃陽のこと、いらなくなっちゃったの…ーーーー。」
少女は聞いているこっちが辛くなるほど悲しい声でそう呟くと、そのまま目蓋を下ろし意識を失った。