SINOBI 隠苑の国に咲く花



「ちょっと大丈夫かい!?」



地面に倒れ込む少女に慌てて手を伸ばす。



「父ちゃま母ちゃま、なんで帰ってこない、の?」



少女は疲れ切っているのかぐったりとしたまま、言葉を続ける。



「ずっとずっと待ってるのに。」



弱々しい力で唇を噛みしめる少女。



「もしかして紫乃陽のこと、いらなくなっちゃったの…ーーーー。」



少女は聞いているこっちが辛くなるほど悲しい声でそう呟くと、そのまま目蓋を下ろし意識を失った。

< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop