王子様ができるまで


乙葉先生は心底楽しそうに、私に笑いかけた。


「吉崎くんは、生徒会長の職権を乱用してまであなたが欲しかったのよ。」


先生のそんな言葉にポポポっと頬が染まる。


「あら、あなたも満更じゃないのかしら?」


「な!先生、からかわないでください!!」


「ごめんごめん。」


悪気のなさそうな先生を軽く睨みながら、さっきクラスで葛西先生が言っていたことを、ふと思い出した。

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