王子様ができるまで


「ーーじゃあそろそろ、準備しましょうか。」


乙葉先生はいきなりそう言うと、ふかふかの猫足ソファから立ち上がった。


「準備…?」


「えぇ。お着替えよ!」


そしていきなり、顔の横あたりで『パンパン』と軽やかに手を叩いた。


すると、入り口と反対側の小さなドアから

「失礼いたします。」

という声とともに、メイドさんの格好をした人たちがたくさん出てきた。


「え?え?」


私は呆然と彼女たちを見ていたが、やがて両手をがっちりホールドされてしまったため、情けない声を出してしまった。

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