王子様ができるまで


「お、乙葉先生…?!」


「ふふふ。妃名ちゃんが綺麗になるの楽しみにしてるわね。」


そう言って、焦る私を完全にスルーして入り口に歩き出してしまった。


「先生!ちょっと待ってくだ…わ!何するんですか!?」


乙葉先生を呼び止めようとしたが、メイドさんたちに急に服を脱がされ始めびっくりして声をあげた。


「妃名ちゃん、大丈夫よ。
じゃあ、またあとでね。」


最後に振り返ってそう言うと、パタンと躊躇(ちゅうちょ)なく扉を閉められた。





「せ、先生〜〜…!!!!」


私の声は届く相手を失い、プリンセスルームに虚しく響き渡ったのだった。

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