王子様ができるまで
「ちょっと!なんなのよ、あの人たち。
お父さんもしかして、借金…してるの?」
「………………。」
答えなさいよ、馬鹿親父!!
今までの苛立ちを含んだ視線を向けるも、何も言わないお父さん。
「はぁ…。もうありえない。」
そんな父親に痺れを切らして立ち上がりる。
「お母さんそろそろパート終わる時間だから迎えに行ってくる。その間にさっきのこと話すから、お父さんは私たちが帰って来たら全部ちゃんと説明してね!」
それでも反応しないので、しょうがなく鞄を持って家を後にした。
ーーーまさかこれがお父さんと話す最後だったなんて、この時の私は思いもしなかったんだ。