王子様ができるまで


「この子は、私の娘よ。」


「なんと…!!妃芽子様にお子様が!?」


「ふふ。びっくりした?
可愛いでしょ。名前は妃名(ひな)よ。」


お母さんは優雅に笑い、私の肩を引き寄せた。

その微笑みに、使用人さん?たちが頬をそめる。


「まぁ!わたくし達の妃芽子様に、こんな可愛いお嬢様がいらしたなんて…!」


そう言って一人の女性が前に出てきた。

歳は60くらいだろうか。


「妃名様。わたくし斎藤佐和と申します。」


そう言って佐和さんはニコッと暖かい笑みを浮かべた。


「よ、よろしくお願いします。」

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