王子様ができるまで


「こちらこそ、よろしくお願い致します。」


佐和さんの笑みには人を安心させる力があるようだ。




「妃芽子様、そういえば旦那様がお呼びでございますよ。
早くあなた様のお顔が見たくてしょうがないみたいで…。」


旦那様?

佐和さんの言葉に小さく首を傾げる。


「あら、お父様怒ってらっしゃらなかったの?」


「えぇ。旦那様はあなた様が帰っていらっしゃるのを何年も何年も待っていらしたんですから。」


お父様=旦那様

ということは…


私のおじいちゃん?

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