王子様ができるまで


お母さんは、頭がついていけなくて固まっている私のことなど全く気にも留めず…


「じゃ、妃名ちゃん。いってらっしゃい。チュッ」


マイペースにも、私のおでこにキスをして…


「運転手さん、よろしくお願いします。」


そう言って、バタンとドアを閉めたのだった。




そして車はゆっくりと屋敷を後にした。


…まぁ、その後私が車の中で絶叫したのは、言うまでもない。

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