王子様ができるまで
「えーっと…小鳥遊 妃名さん?」
門の前で、懐かしい記憶を思い出していると、そんな声が降って来た。
小鳥遊…?あ、私か!
「あ…はい。」
返事をしながら、声の方を振り返ると…
「こんにちは。
俺は吉崎 慧。よろしくね?」
そう言って微笑む…
王子様が立っていた。
明るい茶髪を少し遊ばせた王道の王子様ヘアー。
スーッと通った高い鼻に、薄くシャープな唇。
ビー玉のようなブラウンの瞳はまるで宝石のようだ…。
うわぁ…
こんな綺麗な人、初めて見たよ。