王子様ができるまで

「あ、りがとう、ございますっ…!」


「緊張してるの?凄い吃ってるけど。」


カミカミでそう言う私に、王子様はクスッと上品な笑みを零した。


「あ…えと…その…。」


こういうのに慣れていない自分が妙に恥ずかしくて、そのまま俯いてしまった。


「大丈夫だよ。もし何かあったら俺がすぐ助けに行くから。」


台本があるのかと疑ってしまうような甘い台詞が、王子様の口から次々に放たれる。

それが、なんとも目の前のこの人の雰囲気とマッチしていて…その威力はもう!殺人級だと思う。

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