王子様ができるまで
「じゃ、行こっか?」
そう言って慧くんはドアに手をかけた。
ちょ、ちょっと待って!!
このままで行くの…!?
焦る私の気持ちとは裏腹に、慧くんはガラガラとドアを開けた。
ぐいっと肩を抱き寄せられ、そのまま教室の中に入って行く。
…まだ心の準備できてないのに!!
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「おう、慧じゃん。遅かったな。」
「慧、はよ~。」
「ん?てかその子誰?」
「何、どこかで拾って来たの?」
「お前ちょっと手どけろよ、顔が見えねぇ。」
「てか、なんでお前肩組んでんだよ!」
…な、なんか、凄い…。
俯いたまま顔があげられない私は、向けられるたくさんの視線に体が熱くなってくるのを感じる。
今絶対顔赤い…。