王子様ができるまで
「この子は転校生。名前は小鳥遊妃名。」
慧くんの言葉に、勇気を振り絞りバッと顔を上げる。
それと同時に、うるさかった教室がさらにうるさくなる。
「え!女の子じゃん!なんで?」
「マジで!?転校生なの?」
「ってか可愛い~。」
「なんでお前転校生に腕回してんだよー!」
「妃名ちゃん、趣味は?」
「彼氏はー?」
ーーーーなんか…無法地帯だな、ここ。
そんなことを考えながら、ぼーっとクラスを見渡していると…
「うるせーな。」
そんな不機嫌そうな声が横から聞こえて来た。
ん?…横?