王子様ができるまで

「妃名ちゃん。はい、は?」


完璧な笑顔を浮かべているはずの慧くんの目元が、全然笑っていないように見えるのは私だけでしょうか…?


「は…はぃ。」


こ、恐過ぎる…。

なんでこんなことに。


優しい慧くんはどこに行っちゃったの~
早く帰って来て…!


「フッ。じゃあ妃名ちゃんは今日から俺のものね。」



え、え?!


「あの…私は…!」


「何?」


恐い、恐いよ慧くん…。

笑顔なのに、目元が笑ってない…。


なんで私、さっきまで王子様だと思ってた人に恐喝されてるの!?

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